近年、企業のWebサイトはあらゆる人にとって重要な情報源となっています。年齢や障がいの有無にかかわらず、誰もが不自由なく利用できる環境を整えることが求められており、これを実現するのがWebアクセシビリティへの対応です。このような取り組みは、企業のブランドイメージや信頼性の向上にもつながります。ただ、日本の多くの企業サイトでは、まだ十分な対応ができていないのが現状です。
多くの企業からは「具体的にどこから始めればよいのか」「どの程度の対応が必要なのか」という声が聞かれます。しかし、アクセシビリティ対応は決して難しいものではありません。適切なステップを踏んで進めることで、確実に成果につなげることができます。
それでは、具体的な取り組み方をステップごとに見ていきましょう。
ステップ1:現在のサイトのアクセシビリティ状況を理解する

最初に行うべきことは、自社サイトの現状把握です。多くの企業が「全面的な改修には大きなコストがかかる」と考え、取り組みを躊躇されていますが、適切な現状把握があれば、必要な対応から段階的に進めることができます。現状を正確に把握することは、コストを最小限に抑えながら最大の効果を得るための第一歩となります。
アクセシビリティの状況を確認する際には、以下のようなポイントがあります。
これらの基本的な確認ポイントを踏まえた上で、より具体的な現状把握を行っていきましょう。具体的な確認方法として、以下の3つのアプローチをご紹介します。
現状を把握するための3つの方法
1. 簡単なセルフチェックを行う
最も手軽に始められる診断方法です。キーボードのみでの操作確認や、文字サイズを拡大しての閲覧など、実際のユーザー体験に基づいた課題を発見できます。特にナビゲーションの使いやすさや、基本的な操作性の問題を見つけやすい特徴があります。
2. 自動診断ツールを活用する
無料で利用できるツールで効率的に技術面の課題を発見できます。代替テキストの有無、見出し構造、コントラスト比など、基本的なアクセシビリティ要件を短時間で確認できることが特徴です。
3. アクセシビリティの専門企業に相談する
実際のユーザー視点を熟知した専門家のアドバイスにより、自動チェックやセルフチェックでは見つけにくい実践的な課題を把握できます。ユーザー体験に基づく具体的な評価と、優先度を考慮した改善提案、さらに実装面での具体的な対応方法まで、包括的なアドバイスを得られるという特徴があります。
現状把握ができたら、次は優先順位をつけて具体的な改善に取り組んでいく必要があります。見つかった課題の中には、比較的簡単に対応できるものもあれば、時間をかけて計画的に改善すべきものもあるでしょう。どの項目から着手すべきか、次のステップでご説明します。
ステップ2:優先度の高い項目から改善する
現状把握ができたら、次は具体的な改善に着手します。全ての課題に同時に取り組むのではなく、段階的な対応を進めることが重要です。
アクセシビリティの改善を効率的に進めるには、適切な優先順位付けが重要です。基本的なナビゲーションの改善や、既存の仕組みで対応可能な項目など、取り組みやすく効果の高い改善項目から始めることで、着実な成果を上げることができます。
そして、決定した優先順位に基づき、アクセシビリティの改善を計画的に進めることで効果的な実施が可能になります。まずは新規コンテンツから適切な対応を始め、その後既存コンテンツの改善に着手するのが一般的です。ページの重要度や更新頻度を考慮しながら、メインコンテンツから順次対応を進めていくことをおすすめします。
次のステップでは、これらの改善を組織的に進めるための体制づくりについてご説明します。
ステップ3:アクセシビリティの要件を社内で共有・整理する

アクセシビリティの改善を継続的に進めるには、組織的な取り組みが不可欠です。Web担当者一人で対応するのではなく、IT部門やデザイナー、マーケティング担当など、関係者全員で取り組むべき課題として認識する必要があります。
組織的に取り組むための3つの視点
1. 経営層への説明
アクセシビリティ対応を組織的な取り組みとするには、経営層の理解と支援が不可欠です。現状の課題と期待される成果を示し、改善によるビジネスメリットを具体的に説明することで、アクセシビリティ対応の必要性を共有しましょう。加えて改善に必要な工数や実施時期を明確にすると、現実的な取り組みとして理解を得やすくなります。
2. ガイドラインの作成と展開
改善活動を確実に進めるには、実務レベルでの具体的な指針となるガイドラインが必要です。部門別の対応事項やコンテンツ作成時のチェックリスト、外部委託時の要件定義など、実践的な内容を盛り込むことで、日々の業務の中でアクセシビリティを意識した取り組みが可能になります。
3. PDCAサイクルの実践
継続的な改善を実現するには、定期的な振り返りと見直しが重要です。月次での進捗確認や四半期ごとの改善状況の評価を行い、診断ツールや専門企業の知見も活用しながら、新たな課題に対応できる体制を整えます。こうした継続的な取り組みにより、アクセシビリティの品質は着実に向上していきます。
このように、アクセシビリティの改善を社内全体の取り組みとして定着させることが、長期的な成功への鍵となります。
しかし、社内だけでの取り組みには限界もあります。次にご紹介する方法は、そんな時の効果的な解決策となるでしょう。
まずは簡単な無料診断で実際の課題を知ろう
自社での確認だけでは気づきにくい課題を見つけるためには、専門企業が提供する診断サービスを活用するのがおすすめです。
私たちの無料診断サービスでは、実際に障がいのある方によるWebサイトの確認を通じて、チェックツールでは見つけられない実際の使いにくさや改善への具体的な要望を知ることができます。例えば、スクリーンリーダーでの読み上げ順序や、キーボードでの操作性など、実利用に基づく評価から、自社サイトの現状と課題が明確になるでしょう。
この診断結果により、見落としがちな課題や優先して取り組むべきポイントが見えてきます。より実践的な改善へとつながる無料診断を、ぜひ気軽にご利用ください。
確実な一歩から始めるアクセシビリティ対応
Webアクセシビリティの改善は、一度に完璧を目指すのではなく、段階的に進めていくことが重要です。本記事でご紹介したように、まず現状を把握し、優先順位をつけた改善を行い、組織全体で取り組む体制を整えることで、着実な成果につながります。
まずは自社サイトの状態をしっかりと理解することから始めましょう。無料診断サービスなども活用しながら、自社に合った改善計画を立てることで、より多くの人に使いやすいサイトを作ることができます。アクセシビリティ対応の成功は最初の一歩から始まります。ぜひ改善への第一歩を踏み出してみてください。